夜の帳が下りた街で、星がきらめき始めた頃、海辺の公園に人影が二つ並んでいた。 彼女、紗良(さら)は夜風に揺れる長い髪を止めながら、隣に座る彼、尚輝(おきな)をちらりと見た。
「尚輝、星座、詳しいんだっけ?」
紗良が聞いてみると、尚輝は少し得意げに空を中心に考えた。
「まあな。あれがオリオン座、で、あっちがシリウス。冬の星座の代表みたいなもんだよ。
」
尚輝の声が穏やかに聞こえるたび、紗良の胸は少しだけ早く鼓動を刻む。中学のころからの幼馴染だったが、高校を卒業してからはあまり会う機会がなかった。したのは数か月前の同窓会だった。
「紗良、星空見ながら何を考えてる?」
急に質問され、彼女は立ち止まって言葉を探す。
「えっ、何って…そうね、願い事とか?」
「願い事?」
尚輝は少し笑いながら彼女の顔をのぞき込む。
「紗良の願い事って、どんなの?
」
「尚輝ともっと一緒にいたい」、そんな願いを持っているなんて絶対、言えなかった。
波の静かに聞こえる中、尚輝がポケットから何かを取り出した。小さな星型のペンダントだった。
「これ、君に似合うと思ってさ。
」
紗良の目に驚いて見られる。尚輝は少し照れくさそうに笑った。
「同窓会で久しぶりに会ったとき、何か感じたんだよな。紗良、あのときよりきれいになってたし…俺、もっと紗良と一緒にいたいと思った。」
尚輝の声が少し目立っていることに気づき、紗良の心臓が一瞬見えそうになる。
「……尚輝、嘘でしょ?」
彼は真剣な目で紗良を見つめていた。その瞳に、彼女は吸い込まれそうになる。
空には無数の星が残っていたが、紗良の目は尚輝の存在だけがる。
「私も…ずっと尚輝のこと、気になった。でも、伝えるのが怖かった。」
彼の笑顔が広がります。
「それなら、これからは怖くていいよ。」
手に手がそっと紗良に触れた瞬間、胸の奥で何かが弾けるような感覚がした。
「星空の下で約束しよう。これからもずっと、紗良のそばにいるって。」
紗良は涙がこぼれそうになるのをこらえながら、静かにうなずいた。
「うん、約束。」
その夜、星空の下で交わされた約束は、二人の未来を優しく照らす光となった。